子育て|言葉・コミュニケーション

指差しをしないときに整理したいこと

指差しをしないと、検索結果から発達障害を連想して不安になることがあります。指差しだけをテストするのではなく、子どもが「欲しい」「見て」「一緒に」をどう伝えているかを広く見ます。

「指差し しない」と検索していると、発達の遅れや親の関わり方が原因ではないかと不安になることがあります。この記事では、一つの行動だけから結論を出すのではなく、家庭で確認できること、負担を下げる方法、相談するときに伝えたい内容を順番に整理します。

発達には幅があります。一方で、「個人差だから」と心配を全部飲み込む必要もありません。気になることを記録し、必要なときに相談先と共有することは、子どもと家族の負担を減らすための行動です。

悩みが強くなる理由

CDCの18か月の発達指標には、興味のあるものを指して見せることが含まれています。また自閉スペクトラム症の特徴例として、18か月ごろまでに興味のあるものを指して見せないことも紹介されています。

ただし、指差しをしないという一項目だけで診断はできません。子どものコミュニケーションは、視線、声、身振り、物を持ってくる、大人を連れていくなど多様です。

「指差しさせること」自体をゴールにすると、親子のやり取りがテストのようになりやすいです。何を伝えたいのか、相手と興味を共有する機会があるかを見ます。

検索で見つかる発達指標や特徴は、現在地を考える参考にはなりますが、一つ当てはまるだけで診断や将来を決めるものではありません。家庭で観察できる事実と、保護者が感じている不安を分けておくと、相談先にも伝えやすくなります。

まず確認したい場面と頻度

「できる・できない」を一度だけ試すのではなく、1週間ほど、自然な生活の中で場面差を見ます。毎日詳細な記録をつける必要はありません。気になった場面と、うまくいった場面を1つずつ残すだけでも十分です。

要求をどう伝えているか

欲しい物を取ろうとする、手を引く、物を持ってくる、声を出すなど、要求の方法を記録します。

興味を共有しようとするか

面白いものを見たときに大人を見る、物を見せる、声を出して知らせるなど「一緒に見て」に近い行動があるかを見ます。

大人の指差しを見るか

大人が遠くを指したとき、その方向を見るかなども一つの情報です。毎回テストせず、散歩や絵本で自然に確認します。

言葉の理解や他の身振り

バイバイ、ちょうだい、うなずきなど他の身振りや、簡単な言葉の理解も合わせて見ます。

記録は「できた/できない」だけにしない

同じ行動でも、朝は難しいけれど昼はできる、家ではできるけれど人の多い場所では難しい、といった差があります。記録するときは「できなかった」とだけ書かず、直前に何をしていたか、周囲の音や人の多さ、眠気や空腹、相手の声かけの長さなども一言添えます。逆に、少しうまくいった場面も残します。支援を考えるときは、苦手さの証明より「どんな条件なら伝わりやすいか」が役立つためです。

親の負担も相談材料にしてよい

子どもの様子を記録していると、親自身の疲れが抜け落ちやすくなります。しかし、何度も言い直させることに疲れている、要求が分からず家事が止まる、きょうだい対応と重なって余裕がない、といった家庭の負担も大切な情報です。「子どもに何ができないか」だけでなく、「家族がどこで困っているか」も書いておくと、現実的な支援につながりやすくなります。

特に、以前できていた言葉ややり取りが明らかに減った場合は、様子見だけにせず、健診・かかりつけ医などへ早めに相談する材料になります。

家庭で負担を下げる対応

家庭での目標は「正しい反応を出させること」ではなく、子どもが伝えやすく、親が受け取りやすい場面を増やすことです。合わない方法を無理に続ける必要はありません。

大人が自然に指差して見せる

散歩中に「飛行機だね」と指す、絵本で「ねこいたね」と指すなど、正解を求めずモデルを見せます。

子どもの伝え方に言葉を添える

手を引かれたら「開けてほしいんだね」のように意味を言葉にします。指差しでなければ伝達として認めない、という扱いは避けます。

興味を共有できたらその場で応える

子どもが物を見せたり声を出したら、大人も同じ対象を見て短く反応します。

必要なら絵や写真も使う

指差しがまだ少なくても、写真や絵カードを選ぶことで伝えやすくなることがあります。発語・身振りと併用します。

新しい関わり方を試すときは一度に一つにします。複数の方法を同時に変えると、何が楽になったのか分かりにくくなるためです。

園・学校・相談先へ伝えるメモ

相談時に「指差しをしないが心配です」だけでは、具体的な状況を共有しにくいことがあります。次の項目から当てはまるものだけ、スマートフォンのメモに箇条書きしておくと役立ちます。

  • 要求の伝え方
  • 興味を共有するときの行動
  • 大人の指差しへの反応
  • 他の身振り
  • 簡単な言葉の理解
  • 視線・声の使い方
  • 家と園の差
  • 生活で困っている場面

園や学校と家庭で様子が違っていても、どちらかが間違っているとは限りません。求められること、音や人の多さ、安心度、疲れなど条件が違うため、その「差」自体が大切な情報です。

受診・相談を考える目安

相談は診断名をつけるためだけのものではありません。聞こえや言葉の理解を確認したり、家庭での関わりを一緒に考えたり、園と共有する方法を整理したりするためにも利用できます。

  • 指差しだけでなく、視線・身振り・言葉など複数のやり取りが気になる
  • 名前への反応や聞こえも気になる
  • できていたやり取りが減った
  • 要求が伝わらず生活の負担が大きい
  • 保護者の心配が続いている

日本では1歳6か月児健診など乳幼児健診が発達や生活の様子を確認し、必要な相談につなげる機会になっています。年齢が健診時期と合わない場合でも、自治体の保健センター、子育て相談、かかりつけの小児科などに「どこへ相談すればよいか」から聞いて構いません。

この記事は診断や治療の代わりではありません。聞こえ・発達・健康面の個別判断は、医療機関や公的な相談窓口などで確認してください。

まとめ

子どもの一つの行動だけで判断せず、頻度・場面・生活への影響を記録し、家庭で負担を下げながら、必要に応じて健診・園・医療機関・自治体などの相談先につなぐことが大切です。

今日できることを一つだけ選ぶなら、気になった場面を「いつ・どこで・何が起きた・その前後に何があった」の4点で1行メモしてみてください。できなかった場面だけでなく、少し伝わりやすかった場面も残すと、子どもに合う条件を探しやすくなります。

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発達指標は診断基準としてではなく、相談時の整理材料として参照しています。制度・医療情報は公開時にも最新情報を再確認してください。